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必要最小限の単語で話す「ジョン・ウィック話法」を会得しよう

人とのコミュニケーションに何かしら悩みを抱えている方は多いと思います。
話し始めたは良いけどどう終わらせたら良いか分からなかったり。本当は短く済ませられる話をついダラダラと長引かせたり。大事なことを伝えたいのに要点が伝わらなかったり……

そんな悩みに役立つのが、あの伝説の殺し屋ジョン・ウィックさんが創始したと言われる会話法、名付けて「ジョン・ウィック話法」です。必要最小限の言葉を発するだけで、コミュニケーションを成り立たせてしまうというこの話法をマスターすれば、あなたも会話で苦労することは減るはずです。

この記事では、初級から中級、上級まで3つのステップで、この特殊なジョン・ウィック話法を解説していきます。
あなたもこのジョン・ウィック話法を身に着けて、言葉のミニマリストを目指してみましょう。
 
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初級編:主語・修飾語の省略

実際のジョン・ウィックさんの話しぶりは下記のような感じです。

ウィンストン「私の記憶では、君は殴る方であって殴られる方ではないはずだが」(Now, as I recall, weren’t you the one tasked to dole out the beatings, not to receive them?)

ジョン『腕が落ちた』(Rusty, I guess.)

ウィンストン「私には分かっているぞ、ジョナサン。まず訊きたい。この世界に本当に戻ったのか?」(I’m familiar with the parlance, Jonathan. I want to ask you this. Have you return to the fold?)

ジョン『立ち寄っただけだ』(Just visiting.)

相手が話してる単語の量と、ジョンさんが返す単語の量の差を見比べれば一目瞭然です。本当に必要なことだけを話すだけで、会話というものは成立するのです。

コツは、とにかく余計な主語や修飾語を省略すること。最低限必要な目的語と述語だけを相手にぶん投げてやるのです。それでほとんどの会話は事足ります。
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カテゴリー: 良いモノ語り, 良いモノ語り -映画

「この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは~」の英語版表記は、日本語版とニュアンスが違う?

映画でも小説でもアニメでも何でも、ドキュメンタリーでない限りは作品の冒頭か最後の部分にこういう文章が挿入されます。

この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。

これ、英語では何と言うか皆さんご存知でしょうか。

洋画などのエンドロールを見ていると、最後の方でちょうどこれに相当するような英語の文章を見ることができます。が、実はこれが日本語とは少し文章の印象が違います。
表記には色々と種類があるんですが、たとえばある会社の映画では、

The characters and events depicted in this photoplay are fictitious. Any similarity to actual persons, living or dead, is purely coincidental.
(この映画で描写される人物、出来事はフィクションです。存命か故人かを問わず、実在の人物といかに類似していたしても、全くの偶然です。

また、別の映画では、

The persons and events in this motion picture are fictitious. Any similarity to actual persons or events is unintentional.
(この映画における人物、出来事はフィクションです。実在の人物、出来事といかに類似していたとしても、それは意図しないものです。

あとこういうパターンも。

This is a work of fiction. The characters, incidents and locations portrayed and the names herein are fictitious and any similarity to or identification with the location, name, character or history of any person, product or entity is entirely coincidental and unintentional.
(この作品はフィクションです。作中で描写される人物、出来事、土地と、その名前は架空のものであり、土地、名前、人物、または過去の人物、商品、法人とのいかなる類似あるいは一致も、全くの偶然であり意図しないものです。

日本語でも英語でも、言いたいことはだいたい同じであることが分かります。
「実在の人物とは関係ありません。」=「たとえ似ていたとしても偶然です。」
でも……、どうでしょう。何となく英語の方が人を食ったような表現してるなぁと私はずっと思っています。

なぜこんな表記なのか考えてみたのですが、たとえばもし日本語での表記をそのまま英訳すると、
“There is no relation to actual persons.”
が、英語に直した時に湧きあがる疑問が、そもそも「関係」(relation)という言葉とはここでは何かっていうことです。

もし日本の映画の中で、「おいおい、このキャラどう見てもあの実在の○○がモデルだろ」ということがあったとしたら、「いえ、実在の人物とは関係ありませんから」という反論が立ちます。しかし、よく考えるとそれは「このキャラはこの実在の人物をモデルにしていません」ということは主張していますが、「このキャラとこの実在の人物似てね?」という指摘そのものには何も言えないわけです。おそらく日本語表記での「関係」とは、モデルにする、パロディーにするといった具体的な行為の因果関係のことだと察してほしいのでしょうが、「それでもなお似てる」ということに対しては何も言っていません。
そういう場合、仮に裁判に訴えられて、「意図してこのキャラをこの人物に似せました?」という疑惑に反論するには、「意図なんてしてません!」ということを改めて主張する必要があります。

ここで改めて英語版を見てみると、「このキャラとあの人物が似てる? ただの偶然ですよ」、「意図なんてしてませんよ」と既に書いてるわけです。「(たとえそういうつもりは無くても)何かと似てると指摘されることはありえる」という可能性を受け入れた上で、「でもそれは偶然だし」と知らぬ存ぜぬを決め込むことができます。訴訟リスクに対する細かい先手かもしれません。

こういう表記の違いが出てくるのも、訴訟文化の違いとかが関係してくるんでしょうかね。
個人的には、何か人を煙に巻いたような英語版の言い方が好きです。

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カテゴリー: どうでもいいこと

なぜ弓矢の「撃て!」の号令は英語で”Fire!”なのか

アメリカの現代戦争映画やスリラー、アクション映画などを見ていると、兵隊の部隊長や悪者集団のリーダー格などが、標的に向かって銃を構えている部下達に、「撃て」と命令するシーンをよく見ます。
英語では“Fire!”です。fire(「撃つ」)の命令形です。
きっと初めて(日本人が)英語を習った時には、fireとはそれ以前に「火、炎」の意味だと学びますが、それでも銃も火を使う道具ですし、「『火薬に着火する』というところから、『撃つ』の意味の動詞ができたんじゃないか」と連想するのはたやすいと思います。実際、イギリス英語ではfirearm(「火器」)という言葉があります。

しかし、↓の動画の3:34~をご覧ください。映画『ロード・オブ・ザ・リング /二つの塔』(Lord of The Rings: The Two Towers)の、ヘルム峡谷での開戦シーン。

↓の動画の3:15~。映画『ロード・オブ・ザ・リング /王の帰還』(Lord of The Rings: The Return of The King)の、ローハン軍の増援のシーン。

銃なんて登場しない、弓矢で戦うようなファンタジー世界の作品ですが、弓矢を「撃て!」という号令を”Fire!”と言っています。
これはどういうことでしょうか? 武器(特に飛び道具)を構えていて、それを「発射しろ!」と命令する点では、弓矢の場合も銃の場合も同じですが……。

ググってみると、同じような疑問を持つ人はやっぱりいたようで、こういう質問がネット上で共有されていました。
弓矢でも、fireなの? – 英語 – 教えて!goohttp://oshiete.goo.ne.jp/qa/1681551.html
びっくりすることに、この質問者も『ロード・オブ・ザ・リング』を見て、こういう疑問に至ったようです。やっぱりこれだけネットが普及した現代、たかが自分一人の疑問に独自性や先見性があるなんて希望は持たない方が良いですね。はい。

じゃあ、この質問の回答を読んで終わり!……とはいかないようです。

詳しくはリンク先を参照してもらいたいのですが、回答を見てると、辞書等の説明文を引っ張ってきたり、他の用例を見て、「たしかに弓矢についても”fire”を使うことは文法的に可能」という事実を示すことはできているようです。
私も、手元にあるCollins COBUILD ADVANCED DICTIONARY(2009年)(大学の授業で買わされた縦23.5cm×横16cm×厚さ6cmの鈍器、税抜3900円)を引っ張り出してきて、調べてみたところ、こういう説明を見つけました。

3. VERB If you fire an arrow, you send it from a bow.
――590ページ

というわけで、弓矢について”fire”を使うというのは、可能な表現のようです。

ただ、この質問者も指摘しているように、根本的な疑問に答えているアンサーはほとんどありませんでした。
要するに、「なぜわざわざ”fire”なの?」です。「弓を放て」という意味でその語を使うことが分かっても、なぜその語がその意味を持つに至ったのか、という語源的な答えはありませんでした。
唯一、それに近そうなアンサーNo.3を引用すると、

[…]fireには、物事の最初の「きっかけ」を表す要素が大きいので
fire以外の言葉を使う方が不自然な気がします。

もっともらしそうですが、これは本当なのでしょうか。

ここまで来たら、自分で確かめにいかねばなるまい。 続きを読む

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カテゴリー: 気になること