タグ別アーカイブ: リドリー・スコット

映画『ブレードランナー』+『ブレードランナー2049』(かんたん感想)

〈↓ネタバレありSpoiler Alert!↓〉
・映画『ブレードランナー』
・映画『ブレードランナー2049』

1982年の『ブレードランナー』という映画は、私にとって長い間、観ておくべきかどうか迷っていた作品でした。
多くのクリエイターがこの映画に影響を受けたという話は聞きます。後に続く数多くのSF作品が、この一本の映画にインスパイアされたということも知りました。
それでもこの2017年になるまでに、私がこの「原点」なるものに触れてみようと思うきっかけはありませんでした。だって自分が生まれるより約10年も前の作品だし、他に今に観たいものもたくさんあるし……と。

そこにやってきたのが『ブレードランナー2049』でした。続編を作ることさえ畏れ多いとまで言われた作品。しかもリドリー・スコット本人が監督するわけでもない。
しかし『2049』の本編が公開される約1か月前に、相次いで公開された3本の短編映像が斬新で私の目を引きました。前作と続編の空白期間を描く、3つの前日譚。私は観てすぐにその世界観に引き込まれていくのが分かりました。


『2049』公開の1週間前の休日、やっぱり予習はしておくべきだと思い立ち、私は『ブレードランナー:ファイナル・カット』(字幕版)のバージョンを手に取りました。

そういうわけで、以下の感想ではこれら2つの映画を、別々の作品というよりかは、一続きの自分なりの体験として扱っています。
ちょっと長くなりますがどうぞお付き合いください。
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2016年2月観た映画2本 『キャロル』、『オデッセイ』(かんたん感想)

今回も遅まきながら感想載せておきます。物語に関わる重大なネタバレは無しです。

『キャロル』

あらすじ

1950年代、ニューヨーク。テレーズ・ベリベット(演: ルーニー・マーラ)は、レストランで男の知り合いに声をかけられる。彼女は、キャロル・エアードという女性(演: ケイト・ブランシェット)と会話中だった。だが、キャロルは席を立ち、去ってしまう。その後、テレーズはキャロルとの思い出を回想する。
テレーズはデパートで働いていた。クリスマスの近づくある日、おもちゃ売り場で電車の模型を見ていたキャロルと目が合う。キャロルは テレーズのレジで模型を購入し、宅配の手続きをする。だが、キャロルは手袋を忘れて帰ってしまった。送り状から住所を知ったテレーズは、その手袋を郵送で届ける。
キャロルは一人娘と暮らしているが、夫と離婚協議中だった。キャロルの家に忘れ物が届くと、キャロルはデパートのテレーズに電話し、お礼にとランチに誘う。遠慮していたが承諾したテレーズはキャロルと再会し、その後何度か交友を重ね、互いの家も訪れるようになる。クリスマスの期間になると、テレーズとキャロルは、それぞれの身の回りの男性達と距離を置き、二人きりで国内旅行に出かけるが――。

レビュー

LGBTをテーマとした映画というか、そもそも恋愛映画自体あまり観たことが無いのですが、今作はそれらの中でも一番印象に残る作品になりました。
何から何まで美しいと思います。映像も音楽も。主演女優2人はもちろんのこと、50年代の地味な色調の風景の中で一際目を引く赤やピンクの帽子など、美術や衣装の面で細部まで素敵です。

観ていて、「距離」が重要な作品だと思いました。テレーズとキャロルの初めての出会いのシーンの、おもちゃ売り場の端と端の間の距離。レジを挟んで話す時に縮まる距離。二人の間の距離は動き続けます。テレーズがカメラを持って遠くからキャロルを撮る時。車で隣同士に座る時。肩に手をかける時。一方で、彼女達の距離の近さを不適切に思うのが、周囲の男性達であったり。かつて、同性があれだけ近い距離にいることに対して、世間が無理解だった時代。テレーズとキャロルは、互いの間の距離にも、社会との距離にも苦悩することになります。
紆余曲折を経た後の、ラストシーンの距離の変化は、初めての出会いのシーンとの対比を感じてはっとしました。
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映画『ファーナス/訣別の朝』を観てきた (かんたん感想)

映画公式サイトhttp://furnace-movie.jp/

イントロダクション

製作にリドリー・スコットレオナルド・ディカプリオを迎えたクライム映画。監督はスコット・クーパーです。
出演者は実力派ばかり。主演のクリスチャン・ベールは、ゴッサムシティの大富豪から一転、今作では製鉄所で汗水垂らす労働者を演じます。ベールに代わって新バットマンを今度演じることになるベン・アフレックの弟、ケイシー・アフレックが、今作でベールの弟役を演じているのも奇妙な縁ですね。他にも、ウディ・ハレルソンフォレスト・ウィテカーゾーイ・サルダナウィレム・デフォーなどの面々が出演しています。
米国での公開は、2013年11月9日。日本での封切りは2014年9月27日。

あらすじ

アメリカのある田舎町で暮らしているラッセル(演: クリスチャン・ベール)。彼は製鉄所で働き、病気で寝たきりの父と、軍に所属している弟ロドニー(演: ケイシー・アフレック)の面倒を見ながら、恋人のリナ(演: ゾーイ・サルダナ)と共に暮らす、つましいながらも平穏な生活を送っていた。ロドニーは金に困っており、ペティ(演: ウィレム・デフォー)から借金していた。ある時、ラッセルはペティの元に行き、自分の稼ぎで弟の借金を少し肩代わりする。しかし、その帰り道、飲酒運転をしていたラッセルは事故を起こし、被害者を死なせてしまう。
ラッセルは刑務所に入った。月日が流れる間に、ロドニーはイラク戦争に出征し、帰還。病気の父は死亡していた。ようやく出所できた頃には、リナは警察官のウェズリー(演: フォレスト・ウィテカー)と交際するようになっていた。そして、相変わらず金に困っていたロドニーは、ペティの元で賭けボクシングの八百長試合に参加していた。
そのことを知ったラッセルはロドニーを咎め、彼と口論になり、物別れになる。ラッセルが父の墓参りに出かける一方で、ロドニーはペティにせがんで、より高収入で危険なボクシング試合を仕切っているデグロート(演: ウディ・ハレルソン)に会いに行ったーー。

〈↓ネタバレあり Spoiler Alert↓〉
・映画『ファーナス/訣別の朝』

レビュー

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映画『悪の法則』を観てきた (かんたん感想)

先日、最近の観たい映画についてのポストを投稿しましたが、それ以来、「悪の法則_感想」という検索ワード経由でこのブログに来られた方がチラホラ見られるようになりました。うーん、感想なんてまだ書いてもいないのに申し訳ないなぁ、と…。(ちなみに日本での公開前の出来事です。きっと原語版か試写を見ての感想を探した方が来られたんでしょうね。)
そういうわけで、複数の人から暗に「観ろよ」と言われた気がしたので。というのは冗談で、やっぱり気になったので、観てきましたよ。『悪の法則』

映画『悪の法則』ポスター

映画『悪の法則』ポスター

映画『悪の法則』オフィシャルサイト http://www.foxmovies.jp/akuno-housoku/

イントロダクション

巨匠リドリー・スコットの最新監督作。本格的なクライムスリラーです。脚本は、前回も紹介しましたが、小説家のコーマック・マッカーシー。私はこれ目当てで見ました。
そして、キャストの豪華なこと豪華なこと。主人公の弁護士”カウンセラー”には、マイケル・ファスベンダー。ヒロインはペネロペ・クルス。そしてその周りを固めるのがキャメロン・ディアスブラッド・ピット、そしてハビエル・バルデム。ハビエルといえば、映画『ノーカントリー』に出ていましたし、マッカーシーと縁がありますね。
米国での公開は、2013年10月25日。日本での公開は、同年11月15日。

あらすじ

有能な弁護士、通称”カウンセラー”と呼ばれる男(演: マイケル・ファスベンダー)は、ローラ(演: ペネロペ・クルス)と交際している。プロポーズのために高価なダイヤモンドの指輪を購入するが、その裏では、派手好きな実業家ライナー(演: ハビエル・バルデム)と組んで、麻薬ビジネスで利益を上げようとしていた。ライナーから紹介された麻薬の仲買人ウェストリー(演: ブラッド・ピット)は、裏社会の厳しさと非情さをカウンセラーに警告するが、彼はそれを受け入れていた。少なくとも表面的には。
ライナーは、彼と同棲している魅惑の美人マルキナ(演: キャメロン・ディアス)のことをカウンセラーに話す。彼女の魔性ともいうべき一面のことを聞かされても、カウンセラーには遠い世界の出来事としか思えなかった。ローラもマルキナと会話するが、彼女はマルキナとの間に、本質的な価値観の違いを垣間見るのだった。
カウンセラーらの計画は、着々と進んでいるように見えた。しかし、カウンセラーがある顧客の依頼で釈放させた男が、夜の道路上で何者かに殺害される。その男は、まさにカウンセラー達が取引しようとしていた、メキシコの麻薬カルテルの運び屋だった。間もなくカルテルの麻薬も盗まれ、疑いのかかったカウンセラー達の身に容赦なく危険が迫る――。

レビュー

〈!ネタバレあり Spoiler Alert!〉
映画『悪の法則』

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