映画『ジェイソン・ボーン』三部作 紹介編

なんだかこの頃、また『悪の法則』経由での当ブログへのアクセスが増えていますね。
何かあったっけ? ……と思っていましたら、見たところ、アクセス急上昇の時期と、映画のパッケージ版の発売日がほぼ一致してました。なるほど、と納得です。ブログに(最新)映画のレビューを載せると、こんなことも体験できるんですね。
もう少しこの余談を続けますと、はい、実は私もあの映画、もう一度観てみたくなっているところでした……。白状しますと、あれは私にとって、一度の鑑賞でだいたいのことが分かるタイプの映画ではありませんでした。だいたいすら分かんなかったです。ですが同時に、何か、あの映画にはもう一度観たいと思わせる何かがあります。やはりこれもコーマック・マッカーシーが成せる業なのか。
それに今調べてみたら、ブルーレイ版だとどうやら本編のエクステンデッド・エディションが付いてるみたいじゃないですか! これほどの長さだったら観て感想が変わらないわけがないでしょうね。劇場版だとどれだけの情報が省略されてたのやら……。
お金に余裕ができたら考えてみようかなと思ってます。

 

さて、本題です。今回から「良いモノ語り」カテゴリで扱います作品は、映画『ジェイソン・ボーン』シリーズです!
ここでは、映画『ボーン・アイデンティティー』、『ボーン・スプレマシー』、『ボーン・アルティメイタム』の3作を総称して、『ボーン』三部作(トリロジー)と呼ぶことにします。
今回の紹介編では、「ボーンシリーズって何よ?」という人のために、この素晴らしいシリーズの概要を説明いたします。

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イントロダクション

ユニバーサル・ピクチャーズ配給のアメリカ映画。スリラー・冒険小説の大家ロバート・ラドラムによる、1980年以降の同名小説三部作の映画化……という体裁ですが、作品設定を部分的に借用しているくらいで、最終的にはほぼ原作と関係無くなってきます。まあ映画じゃよくある話ですよ。
本作は、記憶喪失になった元CIAエージェント「ジェイソン・ボーン」が、組織に命を狙われながら、自分の過去の真実を突き止めるために孤独に闘うさまを描く、リアリステッィクなアクション作です。後続のゼロ年代のアクション映画に大きな影響を与えたといわれます。

三作の主演はご存知、マット・デイモン。それまでの「若造」的なイメージに加えて、タフでクールで影のあるアクションヒーローもこなせることを示し、今ではデイモンといえばまずこの作品の名が挙がるほどの代表作になりました。
第一作『ボーン・アイデンティティー』(The Bourne Identity)は、2002年にアメリカで公開。監督は、後に『Mr. & Mrs. スミス』(2005)や『ジャンパー』(08)などを撮ることになる、ダグ・リーマン。共演は他に、フランカ・ポテンテ、クリス・クーパー、ブライアン・コックス、ジュリア・スタイルズなど。ヒーローとしてのジェイソン・ボーンが初登場した記念作です。
第二作『ボーン・スプレマシー』(The Bourne Supremacy)の公開は、2004年。監督は、ドキュメンタリー畑で白羽の矢が立った、ポール・グリーングラス。本作で、アクション映画だって撮れてしまうことを示しました。最近だと『キャプテン・フィリップス』(13)が公開されてますね。共演は、ジョアン・アレン、カール・アーバンなど。
第三作で最終作『ボーン・アルティメイタム』(The Bourne Ultimatum)は、2007年に公開。監督は前作から続投。共演は、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、エドガー・ラミレスなど。この作品はアカデミー賞でもいくつかの部門で賞をもらっていましたね。

三作とも、脚本はトニー・ギルロイ。80年代を舞台にした原作を、現代用に絶妙にアレンジしました。また、音楽はジョン・パウエルが担当。エンディング曲は、三作連続でモービーの『Extreme Ways』が使用されています。今ではボーン三部作といえばこれ、という立派なテーマ曲になりました。

あらすじ

ボーン・アイデンティティー

嵐の夜の地中海。海上を漂流していた一人の男が、漁船によって救出される。男は背中に銃弾を受けながら、奇跡的に一命をとりとめていたが、彼は自分の名前を含め、過去の記憶をすべて失っていた。混乱する男の体内からは、スイスの銀行口座の番号を記したライトが見つかり、彼はそれを手がかりに、スイスへと向かう。
男は夜に警官に職務質問されるが、身分証が無いために不審に思われ、連行されそうになる。その瞬間、男は反射的に警官の銃を奪って殴り、一瞬のうちに昏倒させていた。まったくの無意識の自分の行動に不安を覚えた男は銃を捨て、銀行に急ぐ。そして、問題の貸金庫から、自分の写真が入っているパスポートを見つけた。名義は「ジェイソン・ボーン」。しかし、その金庫の二重底の下に、同じ自分の写真が入った複数の別人名義のパスポート、そして拳銃が隠されているのを見つける。
一方その頃、アメリカ中央情報局(CIA)は、地中海での暗殺任務に失敗し、その後消息が掴めなくなっていたとあるエージェントの捜索に躍起になっていた。彼がスイスの銀行に姿を現したと分かるや、複数の暗殺者を彼に送り込む命令が出される――。

ボーン・スプシマシー

前作から数年後、ジェイソン・ボーンは、再会したマリーとともにインドに隠れ住んでいた。まだ完全に記憶が戻らない彼は、過去の出来事の断片的なフラッシュバックに毎晩悩まされる。
一方、ドイツ・ベルリンでは、CIAのパメラ・ランディーが極秘作戦を指揮していた。過去にCIA内部で起きた事件に関するファイルを持っていると主張するロシア人から、情報を買おうとしているのだ。しかし、その取引の最中に何者かが現場を襲い、ランディーの部下とロシア人は殺され、ファイルも奪われてしまう。
ほどなくして、インドにいるボーン達の身にも危険が迫る。彼は、再び自分の過去と闘わなければならなくなることを覚悟していた。

ボーン・アルティメイタム

前作のエンディング直後。モスクワで逃走を続けるボーンは、怪我の治療の最中、新たな記憶のフラッシュバックを経験する。病院のような施設、ボーンを拘束する男達、「この計画に身を捧げるか?」という言葉……。ボーンは自らの過去の真実を突き止める決意をする。
6週間後、アメリカ・ニューヨークにあるCIAの対テロ機密局は、あるイギリス人新聞記者が、CIAの機密作戦「ブラックブライアー」について話している電話を盗聴する。CIAから情報のリークが起きていると判断した、局長のノア・ヴォーゼンは、その記者を徹底監視するとともに、彼の情報源の特定を命令した。
一方その頃ボーンは、件のイギリス人記者が自分についての情報を持っていることを知り、ロンドンに急ぐ。既に記者に監視が付いていることを感じ取ったボーンは――。

見どころ

では、まだこの映画を見ていない方向けに、簡単に見どころをお教えして、今回のこの紹介編を締めましょう。

本当はいっぱいあるのですが、強いて一つ挙げろと言われれば、やはりアクションのリアル志向を推したいです。
アクション映画である以上、もちろん劇中のアクションのクオリティが評価のカギとなるわけですが、この三部作ではそれが痺れるくらいかっこいい! 何度でも観たいと思えるような、本格派のアクションが描かれます。
以前当ブログでもスパイもの・殺し屋ものについてのポストの中で触れましたが、主人公のジェイソン・ボーン以下数々のキャラが駆使するインテリジェンスのテクニックが、この映画では随所に登場します。逆探知を避けるために電話は数十秒以内に切るとか、カフェでは入口が常に見える側の席に座るとか、人ごみに紛れ込んで敵の待ち伏せをかく乱するとか……敵を出し抜くための、力任せではないスマートな知恵が随所に見られるところが、この映画をスタイリッシュにし、緊張感も与えています。
この映画ではスパイの秘密道具のような荒唐無稽で浮世離れしたものの出番は無く、代わりに、「ボールペン」、「雑誌」、「トースター」、「タオル」などのような、私達が日常的に触れる品物が、活躍します。実際にどう使われるのかは、観てのお楽しみですが、こういった身近なアイデアが、アクションにリアリティと説得力を生み出しているんです。
より具体的なアクションですと、特に「1vs.1の格闘シーン」、「フットチェイスシーン」、「カーチェイスシーン」にぜひ注目していただきたいです。文脈は違えど、実は三作には共通してこれら三つのアクションシーケンスがあり、作品の目玉といっても良いかもしれません。また、それぞれがシリーズを追うごとにより進化した内容になっていくことも、特筆すべき点です。
「シリーズものの映画はどんどんつまらなくなっていく」という原則は、この三部作には当てはまらない、ともっぱらファンの間では言われているようですが、私もそう思います。稀有なシリーズ映画です。

他にも、ストーリーテリング、キャラクターとか、映像手法とか、音楽とか、魅力はまだまだたくさんありますが……。
とにかく、アクションが好きなら、この映画を観ないわけにはいかないでしょう。実際、この映画を抜きに2000年代のアクションを語ってはいけない気さえします。先述の通り、この『ボーン』シリーズに影響を受けたと思しきアクション映画が見られるようになり、007シリーズの路線をも変えたと言われています(ダニエル・クレイグ作品)。
こんな紹介ではありますが、興味を持っていただければ、ファンとして嬉しいです……!

さて、次回の「総論編」以降は、一転してネタバレあり・本編を既に鑑賞済みの方向けの内容となるのでご注意を。三部作の全体的なレビュー、およびテーマの考察やアクション映画史への影響力を考察する予定です。
ぜひ映画をご覧になってから読まれることを推奨します。

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カテゴリー: 良いモノ語り, 良いモノ語り -映画

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